ミルキーウェイとプレアデスの神々

古代の世界では、この世に完全な「闇」が存在していたとき、太陽は今よりはるかに明るく、月や星々もずっと多くの輝きを放っていました。

空いっぱいに広がる宇宙と天体の輝きのひとつひとつに、古代に生きた人々は神の姿を見ていたといいいます。
古代マヤ文明の礎を築いたマヤ族は、天文学の知識、暦、そして世界観や思想を持ったいました。 それだけでなく「チラム・バラムの書」や「ポポル・ヴフ」などのような神話や予言、儀式、暦情報としての聖なる書を伝承として語り継いでいました。


マヤの宇宙は3つの世界から成っています。

目に見える地上の世界、見えない天界、そして冥界(地下世界)です。

冥界であるシバルバーへの入り口は、「洞窟」だとされていますが、そのシバルバーへ続いている「道」は、天の川の中に見える帯状の暗い部分だと考えられていました。

この3つの世界にはそれぞれに神がついています。
大地の神7人、地下世界(夜の王)の神9人、そして天界の神13人です。

この3つの世界の神々を組み合わせ(掛け合わせ)ると、木星・土星の運行を追うための周期の一つになっているのです。(819日周期)

マヤの宇宙観を研究し、また紐解いていくとき、壮大な天体の星々と人間との間にある見えない世界への切符を手にするような錯覚を覚えます。

しかしそれはマヤに限ったことではありません。

世界中で語り継がれてきた神話には、星になった神々についての共通の概念が存在しています。



    


★銀河(ミルキーウェイ)

銀河、天の川は、天を滔々と流れる川や銀色に光る道であるというのが神話世界での常識となっています。日本や中国、ベトナムでは、天の川に隔てられた悲恋物語が有名です。

これらの物語では、男女が川の両岸で相対しながら、なかなかあうことができずに泣き出すという意味を持ちつつ「雨」を象徴しているとも言われています。


ギリシャ神話の主神ゼウスが、アンピトリュオンの妻アルクメネにうませたヘラクレスが8ヶ月になったとき、ゼウスの嫉妬深い妻であるヘラは、2匹の蛇を揺り篭の中に入れ、殺そうとしました。ところが赤子のヘラクレスはその蛇を素手でもって絞め殺してしまいます。ヘラの怒りを恐れたアクルメネは、ヘラクレスを野原に捨ててしまいます。偶然そこを通りかかったヘラは、誰のこともわからないヘラクレスを抱き上げて乳を与えました。するとそのあまりの怪力で乳房を吸ったため、乳がほとばしって川となり、その川が天を流れる銀河となったという話です。

マヤでは、3つの光の結合によってこの世界は創造されたとする3次元からなる「十字架」があります。その十字架は「輝く光」(東から西に向かう光)、「一本足の光」(北から南に向かう光)、そして「小さな光」(天頂から天底へ向かう光)で表わされています。この「小さな光」は日本や中国の神話と同様「雨」という意味を持っています。この光の結合であるマヤン・クロスは夜空に浮かぶ銀河を表しているといわれ、ユカテク語では「持ち上げられた天空」を意味する「ワカフ・チャン」と呼ばれています。

★プレアデス星団


牡牛座の肩に6つ星が集まっている場所、それがプレアデス星団です。

日本では「すばる」という呼び名を持っています。

    

ギリシャ神話ではプレアデスは天を担ぐ巨人アトラスの7人姉妹の娘で、女神アルテミスに仕えていたそうです。

月の明るいある晩のこと、7人姉妹が森のなかで踊り戯れていると、猟師であるオリオンが現れ、彼女たちを犯そうとしました。驚き恐れた彼女らは、森の奥へと逃げ込んで月の女神アルテミスに助けを求めます。女神は自分の着物の裾にかくまってあげました。

しかしなおもオリオンを恐れ続ける姉妹たちを気の毒に思ったゼウスが、7人を美しい鳩に変えたので、大空へ飛んでいって星になったそうです。今では6つの星にしか見えないのは、姉妹のひとりエレクトラが、トロイアの城壁が戦火で焼け落ちるのを見て悲しみ、長い髪をなびかせて彗星となって飛んでいったからだと伝えられています。

アステカ神話でもプレアデスは「センテオトル」という「コーンの神」としての神格を持っています。(マヤではヤム・カァシュと呼ばれています)




センテオトルはトラツォルテオトルという月の女神の息子です。トウモロコシでできた冠を戴いた若くて凛々しい青年の姿として表され、「7つの蛇」と呼ばれるコーンの女神をパートナーの女性神格として持っています。

またセンテオトルはマヤの神「ケツァルコアトル」によってこの世界に連れてこられたといわれ、北の力を持ち、プレアデス星の使いだとも言われているコーン神なのです。


マヤでは「シカ」を年の守護者に迎えている2010年、日本では50年ぶりとも言われる寒春に植物の女神も悲鳴を上げていますね。

シカの守護神である「トラロク」は、実は「雨と光と雷の神」なのです!

トラロクは、雷雨や、山の湧き水を司る神様で、とても崇拝されていました。

そしてマヤの地下世界(ナイトロード)を司る9つの王の第9番目の王でもあるのです。

   

雨が意味するものは単に「大地を潤す恵みの雨」に留まらず、「霊的な光のスピリット」でもあることから、今年は雨の多い1年でかつ霊的なスピリットに意識が引き寄せられる…そんな年なのかなぁ~~と、寒空に覗かせる星の姿を確認して微笑んでしまうこの頃です。

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